錦市場

錦市場|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

錦市場は京都の心臓部に位置する歴史豊かな市場で、天正年間(約400年前)に魚問屋「錦之店」として始まりました。今では「京の台所」と称され、錦小路通の寺町から高倉までの約390メートルのアーケードには、130軒以上の店舗が並びます。ここでは、京料理の食材から生鮮食品、加工食品まで幅広く取り揃えられています。
この場所はただの商店街以上の意味を持ち、400年以上の歴史が息づいています。歩く一歩一歩が、京都の長い食文化と歴史に触れる旅でもあります。こちらの市場は、伊藤若冲ゆかりの地でもあり、店のシャッターやアートワークで彼の作品に出会えます。
料亭や旅館から地元の人々、さらには観光客まで、多くの人々で賑わっています。商店街振興組合に属する店舗数は約126店舗あり、その多くは専門家が運営しているため、食材に関する深い知識も学べます。
アーケード形式なので、雨の日でも快適に過ごせます。地下鉄四条駅から徒歩約3分とアクセスも便利です。多国籍な観光客にも配慮した多言語対応の店も多く、親しみやすい環境が整っています。
現代でも変わらぬ活気で、地元民と観光客を魅了する錦市場。この歴史と文化の交差点で、京都の食を堪能してみてはいかがでしょうか。

基本情報

名称
錦市場 (にしきいちば)
所在地
〒604-8054 京都府京都市中京区 富小路通四条上る西大文字町609番地
アクセス
地下鉄烏丸線「四条」駅下車 徒歩約3分
阪急京都線「烏丸」駅下車 徒歩約3分
阪急京都線「京都河原町」駅下車 徒歩約4分
京阪本線「四条」駅下車 徒歩約10分
市バス5系統「四条高倉(大丸百貨店前)」下車 徒歩約2分
駐車場
駐車場 あり
営業時間
公開時間:24時間
定休日
店舗により異なる(※毎週水曜日は休みの店舗が多い)
連絡先
電話番号: 075-211-3882
公式サイト
キーワード

マップ

詳細情報

錦市場は、京都市中京区の中心部に位置する全長約390メートルのアーケード商店街で、「京の台所」として広く親しまれています。錦小路通の寺町通から高倉通にかけて東西に延びるこの通りには、130軒以上の店舗が軒を連ねており、京野菜や川魚、湯葉、生麩、漬物、乾物、惣菜など、京都ならではの食材や伝統食品が一堂に揃います。

アーケード形式のため、天候を気にせず買い物や食べ歩きが楽しめるのも大きな魅力です。地下鉄「四条駅」や阪急「烏丸駅」から徒歩約3分という好立地にあり、国内外から多くの観光客が訪れています。

歴史
錦市場の起源は非常に古く、平安時代にはすでにこの周辺に市が立っていたと推測されています。この地は質の良い冷たい地下水に恵まれており、魚や青物(野菜)の保存に適していたこと、また御所に近い立地であったことから、鮮魚や青物の流通地として発展しました。

江戸時代初期の1615年には、江戸幕府により「上の店」「錦の店」「六条の店」の三店魚問屋(さんたなうおとんや)の一つとして公認され、錦市場は本格的な魚市場としての歴史を歩み始めました。また、天正年間(1573~1592年)にはすでに「錦之店」として魚の販売が行われていたと伝えられており、400年以上の歴史を誇る由緒ある市場です。

食文化と商業
錦市場には、約126軒の店舗が商店街振興組合に加盟しており、その多くが代々続く専門店です。京料理の料亭や割烹、旅館に向けた食材をはじめ、一般家庭向けの「おばんざい」に用いられる旬の野菜や魚も並びます。京野菜、琵琶湖の川魚、鱧(はも)、ぐじ(甘鯛)、笹カレイなど、京都の食文化を支える食材が豊富に揃っています。

近年では、観光客のニーズに応じた食べ歩きグルメや、多言語対応の接客を行う店舗も増えており、より開かれた市場としての魅力も高まっています。特に年末年始には多くの人々で混雑し、歩くのも困難になるほどの賑わいを見せ、京都の風物詩のひとつとなっています。

伊藤若冲と錦市場
錦市場は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)とも深い縁があります。若冲は1716年、現在の錦市場西口付近にあった青物問屋の長男として生まれました。市場を継ぎつつも画業に打ち込み、「野菜涅槃図」など、野菜や果物を題材とした個性的な作品を数多く残しました。

明和8年(1771年)から安永3年(1774年)にかけて、錦市場の営業継続をめぐる争議が発生した際には、若冲が町年寄として積極的に調整に関わり、存続に大きく貢献しました。この功績から、若冲は「錦市場の中興の祖」とも称されています。現在では、錦市場内のシャッターや装飾にも若冲の作品をモチーフとしたアートが見られ、芸術と食の融合した空間としても注目を集めています。

錦小路通の由来
錦市場がある「錦小路通(にしきこうじどおり)」は、平安時代には「具足小路(ぐそくこうじ)」と呼ばれており、武士が御所に参内する際に具足(鎧)を外したことに由来しています。その後、名称の変遷を経て「錦小路」と改められ、現在に至っています。

通りの幅はおよそ3.3メートルから5メートルと細長く、その両側に多種多様な店舗が密集して並んでおり、歩くだけでも楽しい雰囲気に包まれます。赤・緑・黄色のカラフルなアーケード屋根は錦市場の象徴として親しまれており、SNS映えするスポットとしても人気です。

祇園祭と錦市場
京都を代表する伝統行事「祇園祭」においても、錦市場は重要な役割を果たしています。7月17日と24日に行われる神幸祭・還幸祭では、八坂神社の御神霊を乗せた三基の神輿が氏子町内を巡幸します。そのうちの一基「西御座(にしござ)」は、かつては三条台村の住民により担がれていましたが、昭和22年(1947年)以降は「錦組(現・錦神輿会)」がその役目を受け継いでいます。

このように、錦市場の商人たちは地域の伝統行事にも深く関わり、京都の祭礼文化の継承にも尽力しています。

錦市場は、単なる買い物の場にとどまらず、京都の食文化・歴史・芸術・伝統を体感できる特別な空間です。400年以上の長い時を経て受け継がれてきた「京の台所」としての役割を、今もなお力強く担い続けています。

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