国宝 犬山城

国宝 犬山城|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

犬山城は日本の国宝に指定されている5つの城の一つで、愛知県犬山市に位置します。戦国時代に織田信長の叔父、織田信康によって築かれたこの城は、日本最古の木造天守を有しています。三層四階地下二階の望楼型天守は、歴史的価値が高く、天守最上階からは木曽川や御嶽山、岐阜城、名古屋のビル群まで見渡せる絶景が広がります。
かつては全国で唯一、個人所有されていた珍しい城で、2004年に公益財団法人犬山城白帝文庫に移管されました。尾張と美濃の国境に位置するため、戦国時代を通じて織田氏、池田氏、石川氏と城主が頻繁に変わりました。江戸時代には尾張藩付家老の成瀬正成が城主となり、幕末までその地位を保ちました。
犬山城には見どころがいくつもあります。一つは「大杉様」と呼ばれる神木で、地元住民がしめ縄で祀っています。また、城内の木材は築城当時のものが多く残っており、歴史を感じさせます。城門をくぐると、その壮大な姿が目の前に広がり、犬山城の歴史と力強さを体感できます。この美しい城は、戦国の世を生き抜き、空襲からも免れた強運の城として、今も多くの人々に愛されています。

基本情報

名称
国宝 犬山城 (こくほう いぬやまじょう)
所在地
〒484-0082 犬山市犬山北古券65-2
アクセス
名鉄「犬山遊園駅」西口より徒歩約15分
駐車場
普通車 140台
バス 10台
営業時間
9:00~17:00(入場は16:30まで)
定休日
12月29日~12月31日
料金
【一般】550円
【小・中学生】110円
連絡先
電話番号:0568-61-1711
公式サイト
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詳細情報

犬山城は、愛知県犬山市に位置し、日本に5つしかない国宝天守のひとつです。現存12天守にも数えられ、現存する日本最古の木造天守といわれる城として、高い歴史的価値を誇ります。
別名「白帝城」と呼ばれており、その名は江戸時代の儒学者・荻生徂徠が、李白の漢詩「早発白帝城」にちなみ、木曽川沿いに建つ犬山城の姿を中国の白帝城になぞらえたものと伝えられています。
犬山城は木曽川沿いの小高い山の上に築かれているため、天守最上階からは木曽川をはじめ、御嶽山、岐阜城、名古屋のビル群まで見渡すことができ、濃尾平野を一望する雄大な眺望が広がります。

2. 築城と戦国期の歴史――織田一族から始まる波乱の城主交代
◆ 織田信康による城の成立
犬山城の始まりは室町時代にさかのぼります。犬山の地にはもともと木之下城があり、天文年間(16世紀前半)に、織田信長の叔父である織田信康によって城が整えられたと伝えられています。
信康は美濃国への攻撃に参加した際に戦死し、その後は息子の織田信清が城主となりました。
◆ 織田家内部の対立
織田信清は、織田信長と領土を巡って対立し、やがて犬山城は落城します。その後、信長に忠誠を誓った家臣・池田恒興が城主となりました。
◆ 本能寺の変後の混乱
1582年(天正10年)の本能寺の変で織田信長が討たれると、犬山城は織田信雄の家臣・中川定成の居城となります。しかし、豊臣秀吉と対立する中で、池田恒興による奇襲を受け、城は占拠されました。
この出来事は、豊臣秀吉軍と織田信雄・徳川家康軍が争った「小牧・長久手の戦い」の前哨戦として知られています。戦いは約8か月に及び、最終的には和睦によって終結し、犬山城は再び織田信雄側に戻り、中川定成が城主となりました。
◆ 豊臣政権下での城主交代
その後、織田信雄は豊臣秀吉の命に背いたことで追放され、犬山城の城主は頻繁に交代することになります。尾張と美濃の国境という要衝に位置していた犬山城は、戦国時代を通じて国取りの拠点として重要な役割を果たしました。

3. 関ヶ原以降と江戸時代――成瀬家の城としての歩み
関ヶ原の戦いの後、1601年(慶長6年)頃に、小笠原吉次によって現在の犬山城の城郭が整備されたとされています。
◆ 成瀬家の治世
1617年(元和3年)からは、尾張藩付家老である成瀬正成が犬山城主となり、以後、幕末まで成瀬家が城主を務めました。江戸時代を通じて、犬山城は成瀬家によって大切に守り伝えられてきました。
◆ 明治以降の危機と復興
明治維新後、犬山城は愛知県の所有となり、天守を除く多くの建造物が取り壊されました。さらに1891年(明治24年)には濃尾大震災が発生し、天守は半壊する大きな被害を受けます。
しかし、修復を条件として城は再び成瀬家に無償で返還され、天守は丁寧に修理されました。その後、1952年(昭和27年)に国宝に指定され、歴史的価値が改めて評価されることとなりました。
◆ 全国唯一の個人所有の城
犬山城は長らく成瀬家の私有城として管理され、「全国で唯一の個人所有の城」として知られてきましたが、2004年(平成16年)に公益財団法人犬山城白帝文庫へ移管され、現在は公的管理のもとで保存が続けられています。

4. 犬山城の構造と特徴――望楼型天守の魅力
犬山城の天守は、三層四階・地下二階の望楼型天守で、16世紀末から17世紀初頭にかけて現在の姿に整えられたと考えられています。
◆ 天守1階・2階
1階には4つの部屋が中央に配置され、その周囲を「武者走り」と呼ばれる通路が取り囲んでいます。
2階には「武具の間」があり、武具棚が設けられ、こちらにも武者走りが配置されています。戦闘を想定した合理的な造りが、今も色濃く残っています。
◆ 最上階の魅力
3階の屋根裏階を抜けると、最上階である4階に到着します。ここには廻縁(まわりえん)と呼ばれる回廊が設けられており、外に出ることで360度の眺望を楽しむことができます。天気の良い日には、武将たちが見渡したであろう濃尾平野の景色を、同じ目線で体感することができます。

5. 外観の特徴――格式を備えた美しい天守
犬山城の天守外観は、意匠面でも大きな特徴を持っています。
◆ 破風(屋根装飾)
南北には弓なりの唐破風、東西には三角形の入母屋破風が配され、格式ある姿を演出しています。
◆ 外壁の造り
1・2階は柱を外から見せない大壁造り、最上階は柱や梁を見せる真壁造りとなっており、この切り替えによって最上階の格式が強調されています。
◆ 華頭窓
最上階の外壁には華頭窓(かとうまど)が設けられています。これは開閉する窓ではなく装飾的なもので、天守の品格を高める役割を果たしています。

6. 犬山城を守る神木――大杉様
天守の東側には「大杉様」と呼ばれる神木があります。かつては犬山城の天守よりも高い杉の大木で、城を雷から守ってきた存在と考えられてきました。
この杉は1965年頃に枯れてしまいましたが、現在も御神木としてしめ縄が掛けられ、大切に祀られています。

7. 四季折々の魅力――桜と紅葉に包まれる名城
春には、犬山城を中心に木曽川沿い一帯に約400本の桜が咲き誇り、城と川が織りなす美しい景観を楽しむことができます。
秋には、天守前広場の紅葉に加え、登閣道の石畳が紅葉のアーチに包まれ、訪れる人々を魅了します。

8. 城下町と総構え――歴史が息づく街並み
犬山城は、城下町と一体となった「総構え」の城郭構造を持ち、かつては城下町全体が堀で囲まれていました。現在も城下町には古い町並みが残り、散策を通して歴史の流れを体感することができます。
周辺には博物館明治村などの観光施設も多く、犬山城は歴史と文化を身近に感じられる場所として、多くの人々に親しまれています。

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