中尊寺

中尊寺|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

中尊寺は、850年に高僧慈覚大師円仁によって開山され、12世紀初頭に奥州藤原氏初代の清衡によって大規模な伽藍が造営されました。清衡の趣旨は、長い戦乱で失った者たちの霊を慰め、平和な仏国土を築くものでした。中尊寺は特に、金箔で輝く「金色堂」で知られ、螺鈿細工や透かし彫り、漆の蒔絵など平安時代の工芸技術が結集しています。また、「弁慶堂」「薬師堂」「本堂」なども見どころです。四季折々の風景も魅力の一つ。2011年には「平泉の文化遺産」として世界文化遺産に登録され、奥州藤原氏の栄華とともにその歴史を今に伝えています。平安美術の宝庫として、多くの国宝や重要文化財を持つ中尊寺は、日本の歴史と文化を感じる場所として多くの人々に訪れられます。

基本情報

名称
中尊寺 (ちゅうそんじ)
所在地
〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
アクセス
JR平泉駅から中尊寺月見坂入口まで、徒歩約20分またはタクシーで約5分
駐車場
あり
営業時間
3月1日〜11月3日/8:30~17:00
11月4日〜2月末日/8:30~16:30
定休日
年中無休
料金
金色堂・讃衡蔵・経蔵・旧覆堂【通常拝観料金】
大人800円 
高校生500円 
中学生300円 
小学生200円
連絡先
電話番号: 0191-46-2211
公式サイト

マップ

詳細情報

中尊寺は、嘉祥3年(850)、比叡山延暦寺の高僧・慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開山されました。12世紀初頭には、奥州藤原氏初代・藤原清衡(ふじわらのきよひら)公が大規模な堂塔の造営を行い、寺の基盤を整えました。

清衡公が中尊寺を建立した背景には、11世紀後半に東北地方で続いた「前九年合戦」や「後三年合戦」といった戦乱がありました。清衡公は、戦いで命を落とした人々を敵味方の区別なく弔い、仏の教えに基づく平和な理想郷「仏国土(ぶっこくど)」を、このみちのくの地に築こうと決意しました。これは、戦乱によって父や妻子を失い、深く非戦を誓った清衡公の強い願いでもありました。

中尊寺の象徴である金色堂(こんじきどう)は、天治元年(1124)に上棟された阿弥陀堂で、堂内外に金箔を押した「皆金色(かいこんじき)」の輝きを放ちます。「皆金色」という言葉は経典にも由来し、清浄な仏の世界を象徴しています。内部には螺鈿(らでん)細工、透かし彫りの金具、漆の蒔絵(まきえ)など、平安時代後期の高度な工芸技術が凝縮されており、堂全体が一つの美術工芸品のようです。この金色堂は国宝建造物第1号にも指定され、清衡公、二代基衡(もとひら)公、三代秀衡(ひでひら)公の遺体と首級が安置されています。

かつての中尊寺は、鎌倉時代の記録『吾妻鏡』によれば、寺塔が40、僧の宿舎である禅坊が300を数えるほどの壮大な伽藍(がらん)を誇っていました。しかし、14世紀・建武4年(1337)の火災で多くの堂塔や宝物を失い、その後は衰退の道をたどります。それでも金色堂をはじめ、仏像・経典・工芸品など3,000点以上の国宝・重要文化財が今日まで伝えられ、東日本随一の平安仏教美術の宝庫として名高い存在です。

境内には金色堂のほかにも、弁慶ゆかりの弁慶堂、薬師如来を本尊とする薬師堂、参拝の中心となる本堂など、多くの見どころがあります。また、貴重な文化財を収蔵する宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」では、中尊寺の歴史と美術を体系的に鑑賞することができます。

さらに、中尊寺は春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に美しい姿を見せます。こうした自然と建造物が織りなす景観も、多くの参拝者や観光客を魅了してきました。

平成23年(2011)には、「平泉の文化遺産」の一部として世界文化遺産に登録され、奥州藤原氏の栄華と平和への祈りを今に伝える貴重な歴史遺産として、国内外から高い評価を受けています。

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