
山形県郷土館「文翔館」|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!
基本情報
- 名称
- 山形県郷土館「文翔館」 (やまがたけんきょうどかん「ぶんしょうかん」)
- 所在地
- 〒990-0047 山形県山形市旅篭町3-4-51
- アクセス
- JR山形駅から市役所経由路線バスで市役所前下車、徒歩1分
山形自動車道 山形蔵王ICから車で約10分 - 駐車場
- 40台
- 営業時間
- 9:00~16:30
- 定休日
- 第1・第3月曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
- 料金
- 無料
- 連絡先
- 電話番号:023-635-5500
- 公式サイト
マップ
詳細情報
山形県郷土館「文翔館(ぶんしょうかん)」は、1916年(大正5年)に旧山形県庁舎および県会議事堂として建設された歴史的建築物です。英国近世復興様式を基調とするレンガ造りで、重厚な石貼りの外壁や堂々たる時計台がシンボルとなっています。1975年(昭和50年)まで山形県の政治・行政の中心として利用され、その後文化財として保存されました。1984年(昭和59年)に国の重要文化財に指定され、10年に及ぶ復原工事を経て、1995年(平成7年)10月から「山形県郷土館」として一般公開されています。現在は山形市を代表するランドマークであり、無料で見学することができます。
建築の特徴
外観と時計台
旧県庁舎はレンガ造り3階建て、旧県会議事堂はレンガ造り一部2階建てで構成され、渡り廊下で結ばれています。外壁は石貼りで覆われ、荘厳な佇まいを見せます。
また、文翔館の象徴ともいえる時計台は、日本で現存し稼働しているものとしては札幌時計台に次いで2番目に古いとされています。振り子を動かすための分銅は、今も時計職人が5日に一度手動で巻き上げており、100年以上にわたり時を刻み続けています。
内装と装飾
館内には豪華な装飾が随所に残されており、西洋建築の雰囲気を存分に感じることができます。玄関ホールは大理石の柱やステンドグラスで彩られ、階段の手すりや踊り場には月桂樹の輪飾りをモチーフとした繊細なデザインが施されています。正庁(現在でいう講堂)の天井には漆喰飾りが復原され、紅花やさくらんぼといった山形の特産品が意匠に取り入れられています。さらに、寄木貼りの床や山形産の絨毯など、地元の文化を反映した装飾も魅力的です。
歴史的背景
1876年(明治9年)に現在の山形県が成立し、翌年には初代県令・三島通庸によって県庁舎が建設されました。しかし、1911年(明治44年)の山形大火で焼失し、1913年から再建工事が始まりました。1916年に完成したのが現在の文翔館です。建設費は当時の県総予算のおよそ4分の1にあたる40万円が投じられたとされ、県の威信をかけた事業でした。
県会議事堂は議会の合間には演奏会や展示会などに使用され、公会堂のような役割も果たしていました。昭和天皇が昭和22年に行幸した際には、庁舎のバルコニーから県民に手を振られた記録も残っています。
復原と現在の利用
1986年(昭和61年)から10年にわたる大規模復原工事が行われ、当時の工法に基づいて忠実に再現されました。現在は「山形県郷土館 文翔館」として公開され、館内には山形の歴史や文化を紹介する展示室、復原工事の映像ホール、ギャラリーなどが設けられています。
また、旧県会議事堂の議場ホールは現在もコンサートや演劇、地域イベントに利用され、多彩な文化活動の場となっています。中庭や知事室などは映画『るろうに剣心 京都大火編』『伝説の最期編』のロケ地としても知られ、歴史的価値と現代的な魅力を兼ね備えたスポットとなっています。
見学の楽しみ方
館内は無料で見学でき、ガイドボランティアによる案内も受けられます。専門的な解説を聞きながら歩くことで、建築や歴史の理解が一層深まります。
また、内部は撮影可能であり、豪華な内装や大正時代の雰囲気を写真に収めることもできます。
山形県郷土館「文翔館」は、大正時代に建てられた英国近世復興様式の重厚な建築であり、山形の政治・文化の中心を担ってきた歴史的建物です。荘厳な外観と精緻な装飾を備え、重要文化財として保存・復原された現在は、山形の歴史と文化を伝える拠点となっています。時計台やステンドグラス、漆喰飾りなど細部の美しさを味わえると同時に、コンサートや展示などを通じて現代の文化活動にも活用されており、歴史と現在が響き合う山形市の象徴的なスポットです。