国宝の社殿
本殿・幣殿・拝殿は国宝で、重厚な造りが見どころです。
AI要約
AIによる要約です。営業時間・料金・休館日は公式情報をご確認ください。
朱塗りの社殿と深い緑が美しい、神話と歴史を感じる南九州屈指の神社です。
霧島神宮は、天孫降臨の神を祀る格式ある古社です。朱塗りの社殿、杉に囲まれた参道、国宝の本殿・幣殿・拝殿が見どころ。自然と歴史が同時に味わえますが、石段もあるため歩きやすい靴がおすすめです。
本殿・幣殿・拝殿は国宝で、重厚な造りが見どころです。
杉に囲まれた参道と朱塗りの社殿のコントラストが印象的です。
天孫降臨の主人公を祀る、物語性のある神社です。
参道を歩いて境内を一巡し、社殿と御神木を見たあと展望所にも立ち寄ると全体の魅力がわかります。
霧島神宮は、鹿児島県霧島市霧島田口に鎮座する、南九州を代表する神社です。霧島連山の豊かな自然に抱かれた境内には、深い緑の中に鮮やかな朱塗りの社殿が立ち、神話、火山、歴史、建築文化が一体となった独特の景観が広がっています。天孫降臨神話の主人公を祀る神社として知られ、年間を通して多くの参拝者が訪れます。
主祭神は、天饒石国饒石天津日高彦火瓊瓊杵尊(あめにぎしくににぎしあまつひたかひこほのににぎのみこと)です。一般には瓊瓊杵尊、またはニニギノミコトと呼ばれています。日本神話では天照大御神の孫にあたり、地上を治めるため、高天原から「日向の高千穂」へ降り立った神とされています。この出来事が「天孫降臨」です。霧島神宮では、その降臨地を背後にそびえる高千穂峰と伝えています。
相殿には、ニニギノミコトの后である木花咲耶姫尊、その子の彦火火出見尊と后の豊玉姫尊、さらに鸕鷀草葺不合尊、玉依姫尊、神倭磐余彦尊が祀られています。神倭磐余彦尊は、後の初代天皇である神武天皇に当たります。こうした祭神の構成から、霧島神宮は皇室の祖先神につながる神々を祀る、格式ある古社と位置付けられています。
霧島神宮は、社伝では6世紀頃の創建とされ、その起源は遠い神代にまでさかのぼると伝えられています。ただし、現在の社殿が創建当初から同じ場所に存在していたわけではありません。最初の社殿は、霧島連山の高千穂峰と御鉢の間にある脊門丘に建てられたとされています。霧島山は現在も活動を続ける火山であり、神宮はその噴火によって、たびたび焼失や移転を経験しました。
10世紀の天暦年間、950年頃には、天台宗の僧・性空上人によって高千穂河原に社殿が再興・奉遷されたと伝えられています。しかし、1234年(文暦元年)の大噴火によって、社殿や僧坊寺は再び大きな被害を受けました。その後、真言宗の僧・兼慶上人が島津忠昌の命を受け、1484年(文明16年)に社殿などを再興しました。
その社殿も、別当寺であった華林寺からの失火によって全焼しています。現在の社殿は、1715年(正徳5年)、島津氏第21代当主で第4代薩摩藩主の島津吉貴の寄進によって再建されたものです。このように霧島神宮の歴史は、霧島山の噴火や火災と、そのたびに社殿を復興してきた人々の営みと深く結び付いています。
現在の社殿は、境内の傾斜を巧みに利用して建てられています。勅使殿から登廊下を経て、拝殿、幣殿、本殿へ進むにつれて、建物が段階的に高くなる構成です。特に拝殿から本殿にかけては急勾配の階段によって大きな高低差が設けられ、社殿が山の上へ連なるような、躍動感のある立体的な景観を生み出しています。
本殿・幣殿・拝殿は、2022年(令和4年)2月9日付の官報告示によって国宝に指定されました。三つの建物は連結した一棟の建造物として扱われ、正式な指定名称は「霧島神宮 本殿・幣殿・拝殿」です。一方、登廊下と勅使殿は国の重要文化財です。したがって、霧島神宮の社殿すべてが国宝なのではなく、国宝と重要文化財によって構成された建造物群と説明するのが正確です。
社殿は鮮やかな朱色を基調とし、要所に漆塗りや極彩色を取り入れた華麗な造りです。龍を立体的に彫刻した柱をはじめ、動植物や人物を表現した彫刻、壁画、組物などが各所に施されています。規模の大きさだけでなく、建物や装飾の質も高く、江戸時代に発達した神社建築の装飾意匠を集大成したものの一つとして評価されています。
特に、南九州に伝わる龍柱の代表例を備えていることは、文化史上も重要です。ただし、本殿外壁に描かれた中国の孝行説話「二十四孝図」や、幣殿の龍柱など、社殿内部や一部の装飾は通常一般公開されていません。特別拝観が行われることもありますが、実施日は限定されるため、希望する場合は事前に公式サイトを確認する必要があります。
境内へ向かう参道も、霧島神宮の大きな魅力です。表参道では鮮やかな朱塗りの神橋を渡り、約80段の急な石段を上ります。その先には二の鳥居、三の鳥居へと続く緑豊かな参道が延びています。杉の大木に囲まれた参道は静かで、鳥の声や風に揺れる葉の音を聞きながら歩くことができます。華やかな朱色の社殿と周囲の深い緑との対比は美しく、霧島神宮を象徴する景観となっています。
境内に立つ御神木は、樹齢約800年と推定される杉です。南九州の杉の祖ともいわれ、長い年月にわたって神宮の歴史を見守ってきました。枝の一部を下から見上げると、烏帽子をかぶり、装束を着た神職のような姿が見えるともいわれています。見る位置によって姿が異なるため、御神木や周囲の自然を傷つけず、ほかの参拝者の妨げにならないよう注意しながら探してみるのも楽しみ方の一つです。
境内には、国歌「君が代」の歌詞にも登場する「さざれ石」もあります。さざれ石は本来、小さな石を意味します。境内にあるものは、多数の小石が長い年月をかけて石灰質の物質によって結び付き、一つの大きな岩のようになったものです。小さな石が長い時間をかけて大きな岩となる姿は、永続や繁栄を象徴するものとして大切にされています。
霧島神宮には、「九面」と呼ばれる九つの面が古くから伝わっています。「九面」が、お金や物事のやりくりを意味する「工面」に通じることから、金運、商売、生活上の工面に関する縁起物として独自の信仰を集めてきました。九面を題材にしたお守りや授与品もあり、霧島神宮ならではの文化として親しまれています。
この九面にちなんだ郷土芸能が「天孫降臨霧島九面太鼓」です。白や薄紫色の衣装を身にまとい、九つの面を着けて神話の神々に扮し、太鼓やほら貝を力強く演奏します。毎年元日には、午前0時と午前2時を基本として境内で奉納されます。紀元祭など、ほかの祭事に合わせて披露されることもありますが、日程は年によって変わる場合があります。また、元日の奉納も雨天時には中止されるため、見学を希望する場合は最新情報を確認すると安心です。霧島市「天孫降臨霧島九面太鼓元旦奉納」
霧島神宮の旧参道や周辺には、「霧島七不思議」と呼ばれる伝説も残されています。天孫降臨の際に高天原から持ってきた種が自然に育ったという「蒔かずの種」、岩の内側に文字のような模様が見える「文字岩」、亀に似た自然石である「亀石」、かつて岩穴から風が吹き出していたという「風穴」などです。
このほか、季節によって水量が大きく変化する「御手洗川」、一年のうち二度に分けて水が流れるとされる「両度川」、深夜に神楽のような音が聞こえるという「夜中の神楽」も数えられています。風穴については、現在は風が出ていないと案内されているため、今も常に風が吹いている現象ではなく、地域に伝わる歴史的な伝説として捉えるのが適切です。
境内西側の展望所からは、天候に恵まれれば鹿児島湾(錦江湾)、桜島、鹿児島市街地を見渡せます。空気が澄んだ日には、さらに南の開聞岳方面まで望めることがあります。霧島の山中にありながら、鹿児島を代表する海や火山を一望でき、霧島神宮が自然景観に恵まれた場所に鎮座していることを実感できます。
春には桜、初夏には鮮やかな新緑、秋には紅葉、冬には静かで澄んだ空気というように、季節ごとに異なる景観を楽しめます。桜は例年3月下旬頃、紅葉は11月下旬から12月上旬頃が見頃の目安です。ただし、開花や色付きの時期は、その年の気温や天候によって変わります。特に秋は、紅葉の赤や黄色と鳥居・社殿の朱色が重なり、境内が華やかな雰囲気に包まれます。
霧島は、幕末の志士・坂本龍馬と妻のお龍が1866年(慶応2年)に旅した場所としても知られています。二人は寺田屋事件で負傷した龍馬の傷を塩浸温泉などで癒やし、高千穂峰に登って山頂の天の逆鉾を見たと伝えられています。この旅は「日本最初の新婚旅行」と呼ばれることがあります。
ただし、二人が霧島を訪れ、高千穂峰に登ったことは記録されていますが、霧島神宮へ参拝したかどうかについては慎重に表現する必要があります。龍馬夫妻と霧島との縁や、ニニギノミコトと木花咲耶姫尊がともに祀られていることから、縁結びや夫婦円満を願って参拝する人もいます。
霧島神宮までは、鹿児島中央駅から自動車で約1時間20分が目安ですが、経路や道路状況によって所要時間は変わります。公共交通機関を利用する場合は、JR霧島神宮駅や鹿児島空港などからバスを利用できます。JR霧島神宮駅から神宮までは、バスで約13~15分が目安です。ただし、路線、運行経路、本数、乗車券制度などが変更される場合があるため、訪問前に最新の時刻表を確認することが大切です。
境内は自由に参拝でき、参拝料はかかりません。祈願や授与所の受付は原則として8時から17時までですが、祭事や特別行事などによって変更される可能性があります。無料駐車場も整備されていますが、初詣、桜、紅葉などの時期は周辺道路や駐車場が混雑することがあります。
霧島神宮は、単に美しい朱塗りの社殿を見るだけの場所ではありません。天孫降臨神話、霧島山の噴火と再建の歴史、島津家が残した建築文化、地域に伝わる信仰や伝説を一度に感じられる場所です。参道をゆっくり歩き、国宝の社殿、御神木、さざれ石、展望所などを巡ることで、霧島の自然と人々の祈りが長い年月をかけて形づくってきた歴史を、より深く味わうことができます。
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鹿児島県霧島市霧島田口2608-5 周辺
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