
千秋公園|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!
公園内には古い役所建物「御物頭御番所」や再現された「久保田城御隅櫓」、そして「久保田城表門」が存在し、歴史的価値を感じさせます。「与次郎稲荷神社」では悲しい伝説の狐・与次郎の物語が語り継がれており、秋田藩とその文化を深く知ることができます。
遊歩道を歩くと、春の桜や夏のツツジ、そして紅葉と四季折々の風景が楽しめます。また、公園内の「秋田市立佐竹史料館」では、秋田藩や佐竹氏の歴史を学ぶことができます。
千秋公園は、自然の美しさと歴史の深さを持ち合わせた、訪問者にとっては必見のスポットです。歴史好きはもちろん、家族や友人との散策にもおすすめの場所と言えるでしょう。
基本情報
- 名称
- 千秋公園 (せんしゅうこうえん)
- 所在地
- 秋田県秋田市千秋公園1-1
- アクセス
- JR秋田駅から徒歩15分
- 駐車場
- 有料駐車場14台
- 営業時間
- 入園自由、御隅櫓・佐竹史料館は9:00~16:30(閉館)
- 定休日
- 入園自由(御隅櫓は12月1日~3月末)
- 料金
- 無料
※有料の施設あり - 連絡先
- 電話番号: 018-832-7941
- 公式サイト
マップ
詳細情報
千秋公園は、秋田県秋田市の中心部、秋田駅から徒歩約10分という便利な立地にある、自然と歴史が調和した美しい公園です。もともとは、関ヶ原の戦い後の慶長7年(1602年)に常陸国から国替えとなった初代秋田藩主・佐竹義宣(さたけ よしのぶ)公が、翌年の慶長8年(1603年)に築いた久保田城の城跡にあたり、現在はその跡地が近代的な日本庭園として整備され、市民や観光客の憩いの場となっています。
歴史的背景
久保田城は、天守閣を持たない「平山城」で、自然の台地を活かして築かれました。石垣をほとんど使用せず、堀と土塁をめぐらせた防御構造が特徴であり、天守を設けなかった背景には、徳川幕府への配慮や財政的な事情があったとされています。現在でも園内には当時の名残をとどめる水堀が残っており、往時の面影を感じることができます。久保田城は、明治2年(1869年)の版籍奉還まで、12代にわたって秋田藩佐竹氏の居城として使用されました。
明治29年(1896年)には、日本の近代公園設計の先駆者として知られる長岡安平(ながおか やすへい)によって、久保田城跡が「千秋園」として整備されました。この名称は、漢学者・狩野良知(かのう りょうち)によって名付けられ、「秋田の『秋』に、長く久しくという意味の『千秋』を冠する」ものです。
見どころと施設
千秋公園には、秋田藩の歴史を今に伝える歴史的建造物や文化施設が点在しており、訪れる人々に豊かな歴史的体験を提供しています。
久保田城御隅櫓(おすみやぐら)
本丸北側の高台に再現された御隅櫓は、かつては城の見張り場や武器庫として重要な役割を担っていました。現在は内部が展望施設として整備されており、秋田市街や園内の自然を一望できることから、公園のシンボルとして親しまれています。
久保田城表門(おもてもん)
かつて本丸の正門として機能していた表門は、木造二階建ての櫓門として再建されました。その周囲には、門の警備や管理を担当した「御物頭御番所」や、史料に見られる「御番頭局」などの建物があったとされ、防衛拠点としての面影を今に伝えています。
御物頭御番所(おものがしらごばんしょ)
久保田城内に唯一現存する藩政時代の建物で、物頭(足軽の組頭)の詰所として使用されていました。門の開閉や警備、火災時の対応などを担っていたことから、当時の城下管理の一端を知ることができます。
与次郎稲荷神社(よじろういなりじんじゃ)
久保田城築城の際に住処を失った狐が、佐竹義宣公に願い出て「茶園守の与次郎」として仕えるようになったという伝説に由来する神社です。与次郎狐は、秋田と江戸を6日で往復するほどの俊足をもって活躍したとされますが、やがて飛脚仲間の嫉妬により命を落としてしまいました。その霊を弔うために建てられたのが与次郎稲荷神社です。
秋田市立佐竹史料館
源氏の流れをくむ名門・佐竹氏に関する貴重な史料を展示する文化施設で、秋田藩の政治や生活文化、久保田城下町の形成過程などについて深く学ぶことができます。甲冑や古文書、絵図などが常設展示されています。
二の丸広場
中土橋通りから坂を上がると広がる芝生広場で、藩主が能や町踊りを上覧したと伝えられる歴史的な空間です。園内の売店では、お土産や季節限定のソフトクリームなどが販売され、散策の合間のひとときに最適です。
宣庵(せんあん)
日本建築の趣を感じさせる本格的な茶室で、茶会や文化行事などに使用されています。静かな空間で、日本文化の奥深さを体感することができます。
胡月池(こげついけ)
日本庭園の中心に位置する池で、周囲の花木や緑と調和し、四季折々の風景を映し出します。散策路の中でも特に風情ある場所です。
四季の自然
千秋公園は、春夏秋冬それぞれに異なる彩りを見せる自然の美しさでも知られています。
春:約700本のソメイヨシノが咲き誇り、公園は花見客で大いににぎわいます。
初夏:5月下旬にはツツジや藤が見頃となり、さらにカキツバタ、ハナショウブ、アヤメなどの初夏の花々も園内を彩ります。
夏:お堀に咲くハスの花が、涼やかな風情をもたらします。
秋:10月中旬から11月上旬にかけては、モミジやイチョウなどが美しく紅葉し、紅葉狩りの名所として訪れる人々を魅了します。
これらの自然は、園内を巡る遊歩道を歩きながら四季折々に楽しむことができます。
周辺の文化・教育施設
千秋公園の周辺には、歴史や文化に触れることができる施設が多く集まっています。
秋田県立美術館
秋田市立中央図書館「明徳館」
秋田市文化創造館
あきた文化施設「松下」(あきた舞妓と出会える文化施設)
秋田犬ふれあい処in千秋公園
これらの施設では、芸術鑑賞や学び、地域文化との出会いが可能で、観光だけでなく文化体験の場としても高い価値があります。
千秋公園は、久保田城跡という歴史的背景をもちながら、近代公園として四季折々の自然や文化施設が調和した魅力的な場所です。藩政時代の面影をたどりながら、静けさの中で美しい景観を楽しむことができるこの公園は、歴史愛好家だけでなく、ご家族や友人との散策にもぴったりのスポットです。秋田の中心にありながら、日常を離れてゆったりとした時間が流れる千秋公園へ、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。