
角館武家屋敷|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!
基本情報
- 名称
- 角館武家屋敷 (かくのだてぶけやしき)
- 所在地
- 仙北市角館町表町、東勝楽丁
- アクセス
- JR角館駅より徒歩20分
- 駐車場
- 市営桜並木駐車場
- 料金
- 一部武家屋敷の見学は有料
- 連絡先
- 電話番号: 0187-54-2700
- 公式サイト
マップ
詳細情報
角館(かくのだて)は、秋田県仙北市に位置する、江戸時代の情緒を色濃く残す美しい城下町で、「みちのくの小京都」とも称されています。その趣深い町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、国内外の観光客から高い評価を受けています。
なかでも「武家屋敷通り」と呼ばれるエリアには、江戸時代の武士たちが実際に暮らしていた屋敷が立ち並び、まさに歴史の舞台そのものです。表通りには「石黒家」「青柳家」「岩橋家」「松本家」「河原田家」「小田野家」など、現在も見学可能な屋敷が点在しており、一部は今なお居住されているお宅もあります。
各武家屋敷の見どころ
■ 石黒家
石黒家は、佐竹北家に仕えた用人(ようにん)の家柄で、嘉永6年(1853年)に現在の場所に移転されたと伝えられています。文化6年(1809年)の銘がある矢板付き薬医門をくぐると、格式高い正玄関と脇玄関が迎えてくれます。主屋は茅葺屋根で、庭には築山や巨石、モミの大木、東屋などが配され、簡素ながらも武士の格式を感じさせる佇まいです。道路に面した黒塀には「のぞき窓」が設けられており、現存する武家住宅の中でも特に古いものとされています。
■ 青柳家(角館歴史村・青柳家)
青柳家は、もとは会津の芦名氏に仕えていた武士の家系で、その後、佐竹北家の家臣となりました。万延元年(1860年)の矢板を持つ薬医門が正門で、門を入ると井戸屋形や米蔵、正玄関・脇玄関などが並び、来客の身分によって使い分けていた様子から、当時の格式を今に伝えています。敷地内には、武具や生活道具の展示に加え、カフェや樺細工体験コーナーも併設されており、観光拠点としても人気です。
■ 岩橋家
岩橋家は芦名氏の重臣で、禄高75石(約1,125kg相当の米収入)を有し、のちに佐竹北家に仕えて幕末まで続きました。屋敷は江戸末期に改造されたもので、典型的な中級武士の間取りが残っています。屋根は茅葺から改修されていますが、当時の生活様式が色濃く感じられます。敷地内には推定樹齢300年を超えるカシワの大木があり、秋や冬にはライトアップされ、幻想的な景観を楽しめます。
■ 松本家
松本家は佐竹氏重臣・今宮家の組下として、比較的身分の低い武士が多く暮らしていた「小人町(通称:こびとまち)」に位置しています。足軽や中間などが居住していたこの区域で、松本家も軽輩の武士の住まいでしたが、郷校「弘道書院」の教授を輩出するなど、学問に力を入れていた家系として知られています。屋敷は幕末の建築と推定され、離れの寝室も見どころの一つです。
■ 河原田家
河原田家は、関ヶ原の戦い後に主家・芦名氏が没落し、その家臣が角館に移住して佐竹北家に仕えた家系です。現在の主屋は明治24年(1891年)に建てられ、角館の武家住宅の典型的な構造を今に伝えています。さらに近代以降も地域の発展に尽力し、第16代当主・河原田次重氏は水力発電事業を私財で興すなど、地域社会に大きく貢献しました。
■ 小田野家
小田野家は今宮弾正組に属し、のちに佐竹北家に仕えました。主屋は明治33年(1900年)の角館大火後に再建されたもので、前庭にはモミやモミジ、クマザサなどが配され、京都の庭園作法を取り入れた植栽が施されています。幕末期の武家屋敷の様式を色濃く残す貴重な建築です。
四季折々の魅力
角館は一年を通して異なる表情を見せてくれる町です。
春は桜の名所として名高く、4月中旬から下旬にかけて町全体が淡いピンク色に染まります。町内には約400本のシダレザクラがあり、そのうち162本が国の天然記念物に指定されています。黒塀に映えるシダレザクラと、桧木内川(ひのきないがわ)堤に続く全長約2kmのソメイヨシノのトンネルは、まさに圧巻の美しさです。
秋は紅葉、冬は雪化粧、夏は新緑と、どの季節に訪れても趣深く、特に冬の夕暮れ時には、ライトアップされた武家屋敷や樹齢300年のカシワの木が幻想的な雰囲気を醸し出します。