吹割の滝

吹割の滝|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

吹割の滝は、高さ約7m、幅30mの圧倒的な迫力を誇る名瀑です。岩盤の柔らかな部分が浸食されて多数の割れ目が生じた結果、巨大な岩が吹き割れたように見えることからその名が付きました。「東洋のナイアガラ」とも称されるその雄大な姿は、大自然の中で豪快に水しぶきをあげる荒々しさと美しさを兼ね備えています。滝の周辺には遊歩道が整備されており、つり橋や観瀑台からさまざまな角度で滝を楽しめます。春の雪解け水によるダイナミックな流れと新緑、夏の天然ミスト、秋の紅葉といった季節ごとの魅力も見逃せません。

基本情報

名称
吹割の滝 (ふきわれのたき)
所在地
〒378-0303 沼田市利根町追貝
アクセス
JR沼田駅から鎌田行きバス45分「吹割の滝」下車 徒歩約3分(220m)
関越自動車道 沼田I.C.から国道120号線を尾瀬方面へ直進約25分(約16km)
駐車場
あり
営業時間
自由
定休日
12月中旬から3月下旬は冬期閉鎖
料金
無料
連絡先
電話番号:0278-56-2111 
公式サイト

マップ

詳細情報

吹割の滝は、群馬県沼田市利根町に位置する高さ約7メートル、幅約30メートルの大滝です。そのスケールと迫力から「東洋のナイアガラ」とも称され、昭和11年(1936年)12月16日に文部省より「吹割渓ならびに吹割瀑」として国の天然記念物および名勝に指定されました。
滝は片品川の中流にあり、岩盤の柔らかい部分が長い年月をかけて水流に浸食され、多数の割れ目が生じた結果、まるで巨大な岩が吹き割れたように見えることから「吹割の滝」と名づけられました。ごうごうと落下する水流と飛び散る水しぶきが大自然の力強さを感じさせ、訪れる人々を魅了します。

地形の成り立ちと名称の由来
吹割の滝がある片品川流域は、火山活動によって形成された凝灰岩や溶結凝灰岩で構成されています。約20万〜30万年前に発生した火山噴火によって堆積した地層を、片品川の流れが長年にわたり浸食し、現在の吹割渓谷をつくり上げました。
この侵食作用により、岩盤の柔らかい部分が削られ、割れ目や甌穴(おうけつ)が多数形成されました。その中でも特に大きく割れた部分に水流が集中して滝が生じ、あたかも岩が「吹き割れた」ように見えることから「吹割の滝」と呼ばれるようになったのです。
地質学的にも貴重なこの地形は、自然が生み出した芸術ともいえる造形美を持ち、研究対象としても高い価値を持っています。

吹割渓谷と周辺の自然
吹割の滝が位置する吹割渓谷(片品川の渓谷)は、片品川上流の泙川(ひらがわ)合流点から下流の栗原川合流点にかけて約1.5キロメートルにわたる渓谷です。河床には多数の甌穴が点在し、最大で長径約6メートルに達するものもあります。これらの甌穴は、渦巻く水流と小石の回転によって岩盤が削られてできた自然の造形です。
渓谷の右岸には、断層面に沿って形成された「屏風岩(びょうぶいわ)」がそそり立ち、「獅子岩」「般若岩」などの奇岩も見られます。これらの岩壁は、断層に鉱液が沈殿して硬化した部分が侵食されずに残ったもので、自然がつくり上げた彫刻のような姿を見せています。

四季の魅力
吹割の滝は、四季を通じて異なる表情を楽しめる名瀑です。
• 春(4〜5月):雪解け水を大量に飲み込み、迫力ある水量で流れ落ちる様子が圧巻です。新緑が周囲を彩り、生命の息吹を感じられます。
• 夏(6〜8月):滝から放たれる天然のミストが涼を呼び、暑さを忘れさせてくれます。水しぶきを浴びながら間近で滝を見られることから、避暑地としても人気です。
• 秋(10月前後):吹割渓谷一帯が紅葉に包まれ、滝と紅葉のコントラストが見事です。周辺のブナやカエデの赤や黄色が水面に映える光景は、まさに絶景です。
• 冬(12〜3月):滝周辺は積雪と凍結のため立ち入りが制限されますが、雪に包まれた静寂の景観も幻想的です。

遊歩道と観光スポット
平成3年には渓谷を一周できる約1時間の遊歩道が整備されました。途中には3つの観瀑台があり、それぞれ異なる角度から滝を眺めることができます。吹割橋・浮島橋・観瀑台などからの景観は特に人気があります。
また、周辺には以下のような見どころがあります。
• 鱒飛の滝(ますとびのたき):鱒が飛び越えようとして果たせなかったことに由来する、高さ約8メートルの滝です。
• 獅子岩・般若岩:自然の浸食がつくり出した奇岩群で、まるで動物や仏の顔のような形をしています。
• 浮島観音堂:片品川の中州に立つ小堂で、古くから信仰の対象とされています。
• 老神温泉:滝から約3キロ北に位置する温泉地で、滝観光とあわせて訪れる人が多く、心身を癒す名湯として知られています。

伝説と文化
吹割の滝には「竜宮伝説」が伝わっています。昔、この滝の滝壺は竜宮へ通じていると信じられ、村で祝儀などの行事があるときには、竜宮からお膳やお椀を借りて使うという風習があったといわれます。この伝承は、吹割の滝が古くから人々の信仰と生活に深く結びついてきたことを物語っています。

学術的価値と保護
吹割の滝は、水の浸食作用によって形成された地形として学術的にも非常に貴重であり、地質学的研究の対象にもなっています。昭和11年の国指定以降、天然記念物・名勝として保護され、自然環境を維持するための保全活動が続けられています。
渓谷沿いの木道や橋は安全に整備されていますが、水量の多い時期には増水の危険があるため、立ち入りが制限されることもあります。

吹割の滝は、悠久の時が創り出した壮大な自然の芸術です。火山活動と水の力が織りなす地形美、四季を彩る渓谷の景観、そして地域に息づく伝説が重なり合い、訪れる人々に深い感動を与えます。
その雄大な姿と繊細な自然の調和は、まさに「東洋のナイアガラ」の名にふさわしい日本屈指の名瀑です。ぜひ、吹割渓谷の遊歩道を歩きながら、その迫力と美しさを全身で体感してみてください。

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