江戸時代の港町の面影
常夜燈や雁木など、港の歴史を感じる景観が残っています。
AI要約
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潮待ちの港の歴史と、瀬戸内の静かな海景色が同時に楽しめる港町です。
鞆の浦は、江戸時代の港湾施設や路地、町家が残る歴史ある港町です。常夜燈や雁木を歩いて巡りながら、瀬戸内海の穏やかな景色も楽しめます。歴史散策が好きな人に向きますが、坂や細道もあるため歩きやすい靴がおすすめです。
常夜燈や雁木など、港の歴史を感じる景観が残っています。
海と島々がつくる静かな眺めが、町歩きの魅力を高めます。
映画やドラマの舞台として知られ、景色目当てでも楽しめます。
常夜燈から港周辺を歩き、福禅寺・対潮楼まで巡ると鞆の浦の雰囲気を短時間でつかめます。
鞆の浦は、広島県福山市南部の瀬戸内海沿岸に位置する歴史ある港町です。福山駅から南へ約14km、瀬戸内海のほぼ中央にあり、古くから「潮待ちの港」として栄えてきました。潮の流れが干満によって変化する海域に面しているため、昔の船はここで潮の向きを待ちながら航海を行っていました。
その歴史は非常に古く、8世紀後半に成立したとされる『万葉集』には、鞆の浦を詠んだ歌が8首も残されています。1200年以上前から知られる港町であり、古代から中世、近世に至るまで、交易や海上交通の重要拠点として発展してきました。
また、鞆の浦は、日本で最初に指定された国立公園の一つである「瀬戸内海国立公園」を代表する景勝地の一つでもあります。波穏やかな瀬戸内海に仙酔島や弁天島が浮かぶ風景は美しく、「日東第一形勝(日本一の景勝地)」と称賛されたほどです。
潮待ち港として栄えた歴史
鞆の浦は、古くから東西航路の重要な中継地点として栄えました。瀬戸内海の潮流が変わる地点に位置しているため、船乗りたちはここで潮待ち・風待ちをしながら航海の安全を図っていました。
中世には交易や軍事の拠点となり、江戸時代には北前船の寄港地として繁栄しました。さらに、朝鮮通信使や琉球使節、オランダ商館長など海外からの使節団もたびたび立ち寄り、国際色豊かな港町としても知られていました。
幕末には、坂本龍馬率いる海援隊の船「いろは丸」と紀州藩の船が衝突した「いろは丸事件」の舞台となったことでも有名です。龍馬は鞆の浦に上陸し、交渉を行ったとされています。
現在も残る江戸時代の港湾施設
鞆の浦最大の魅力の一つが、江戸時代の港湾施設が今なおまとまって残っていることです。特に、
常夜燈
雁木(がんぎ)
波止
焚場
船番所
といった港湾施設がすべて残っているのは、日本国内でも鞆港だけとされています。
常夜燈
鞆の浦のシンボルとして知られる石造りの「常夜燈」は、160年以上にわたり港を照らし続けてきました。夕暮れ時になると柔らかな灯りがともり、港町らしい情緒あふれる景色を楽しめます。
雁木
「雁木」と呼ばれる石段状の船着き場も特徴的です。瀬戸内海の干満差に対応するために作られたもので、潮の満ち引きによって見え隠れする独特の景観を生み出しています。
波止
港の先端には、曲線を描く石積みの防波堤「波止」が残っています。江戸時代の港町の姿を現在まで伝える貴重な歴史遺産です。
重要伝統的建造物群保存地区と日本遺産
鞆の浦には、江戸時代から続く町並みが今も色濃く残っています。細い路地や町家、豪商の屋敷、寺社仏閣などが立ち並び、町全体がまるで時代劇の世界のような雰囲気に包まれています。
こうした歴史的価値が評価され、2017年には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
さらに2018年には、
「瀬戸の夕凪が包む 国内随一の近世港町 ~セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦~」
というストーリーが日本遺産に認定されています。
また、鞆の浦は、
重要伝統的建造物群保存地区
日本遺産
ユネスコ「世界の記憶」に登録された朝鮮通信使関連資料のゆかりの地
という3つの評価に関わる全国でも非常に珍しい地域として知られています。
福禅寺・対潮楼の絶景
鞆の浦を代表する名所の一つが「福禅寺 対潮楼(たいちょうろう)」です。
福禅寺は平安時代中頃の創建と伝わる真言宗の寺院で、本堂に隣接する客殿「対潮楼」は1690年頃に建てられました。朝鮮通信使の迎賓館として使われ、海外からの賓客をもてなした歴史を持っています。
座敷から見える瀬戸内海の景色は絶景で、朝鮮通信使の従事官・李邦彦が、
「日東第一形勝」
と絶賛したことで知られています。仙酔島や弁天島を望む穏やかな海景色は、現在でも多くの観光客を魅了しています。
坂本龍馬ゆかりの地
鞆の浦は坂本龍馬ゆかりの地としても人気があります。
幕末に発生した「いろは丸事件」の舞台となった場所であり、町には龍馬関連のスポットが点在しています。
いろは丸展示館
龍馬や海援隊、いろは丸事件について詳しく学べる資料館です。
桝屋清右衛門宅
龍馬が事件交渉の際に宿泊したと伝わる場所です。
歴史ファンにとっては見逃せないスポットとなっています。
保命酒と鯛網
保命酒
鞆の浦名産の「保命酒(ほうめいしゅ)」は、もち米や麹米に薬味成分を加えて造られる薬用酒です。約380年前から続く伝統があり、「和製リキュール」とも呼ばれています。
保命酒の蔵元だった「太田家住宅」は国の重要文化財に指定されており、歴史ある建築を見学することができます。
鯛網
鞆の浦では、江戸時代初期から続く伝統漁法「鯛網」も有名です。産卵期に瀬戸内海へやってくる鯛を一網打尽にする豪快な漁法で、現在は観光鯛網として毎年5月頃に見ることができます。
映画・アニメの舞台としても有名
美しい景観とノスタルジックな町並みから、鞆の浦は多くの映画やドラマのロケ地としても知られています。
特に有名なのが、スタジオジブリ・宮崎駿監督の映画『崖の上のポニョ』です。宮崎監督が鞆の浦に滞在したことでも知られ、作品の構想のきっかけになった地といわれています。
そのほかにも、
ハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』
ドラマ『流星ワゴン』
などの撮影地として使用されました。
鞆の浦の魅力
鞆の浦の魅力は、単なる観光地ではなく、歴史ある港町の暮らしが今も息づいていることです。
江戸時代からほとんど変わらない町並み、石畳の路地、港に揺れる船、穏やかな瀬戸内海の風景など、歩くだけでどこか懐かしい気持ちになります。
また、主要な観光スポットが徒歩圏内に集まっているため、ゆっくり散策しながら歴史と風情を楽しめるのも大きな魅力です。
古の港町の空気を感じながら、瀬戸内の美しい景色とともに、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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