
四天王寺|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!
四天王寺は宗派を超えた寺であり、毎月21日と22日には縁日が開催され、法要だけでなく多くの露店も出店されます。また、聖徳太子が定めた「四箇院の制」に基づく、教育、医療、福祉の施設も現在まで継承されています。
この寺は、ただの歴史的名所ではなく、日本の文化、宗教、歴史が交錯する場であり、その多面性と深さが訪れる人々を引きつけて止まないのです。
基本情報
- 名称
- 四天王寺 (してんのうじ)
- 所在地
- 〒543-0051 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
- アクセス
- 《電車》大阪メトロ「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」から徒歩約5分または、JR「天王寺駅」から徒歩約12分
- 駐車場
- 四天王寺 南大門に隣接した、無人タイムズをご利用ください。
- 営業時間
- 4~9月 8:30~16:30 ※毎月21日 8:00~17:00
10~3月 8:30~16:00 ※毎月21日 8:00~16:30
六時堂 8:30~18:00 ※毎月21日 8:00~ - 定休日
- 年中無休(庭園の臨時休園日あり)
- 料金
- 中心伽藍:大人300円、高大生200円
宝物館:大人500円、高大生300円
本坊庭園:大人300円、小中高大200円 - 連絡先
- 電話番号:06-6771-0066
- 公式サイト
マップ
詳細情報
四天王寺は、推古天皇元年(593年)に聖徳太子によって建立された、日本仏教史上最初の官寺(国家によって保護・運営された寺院)です。その歴史は1400年以上におよび、日本の宗教や文化の発展に大きな役割を果たしてきました。
創建の由来
四天王寺の創建は、『日本書紀』に記されています。物部守屋と蘇我馬子の戦いの際、崇仏派の蘇我氏に味方した聖徳太子が、自ら四天王像を彫って戦勝を祈願し、「勝利した暁には四天王をまつる寺を建立し、この世のすべての人々を救済する」と誓願しました。戦いに勝利した後、その誓いを実現する形で四天王寺が建立されました。
建築様式と伽藍配置
四天王寺の伽藍(がらん)は、「四天王寺式伽藍配置」と呼ばれる、日本で最古の建築様式に基づいています。この配置は、南から北へ向かって中門、五重塔、金堂、講堂を一直線に並べ、それらを回廊が囲むというものです。この形式は6~7世紀の中国や朝鮮半島に源流を持ち、日本における古代寺院建築の貴重な例となっています。
幾度もの災害と復興
四天王寺は、長い歴史の中で度重なる災害や戦火によって幾度も焼失と再建を繰り返してきました。
明治時代には、神仏分離令により神社との関係が断たれる厳しい状況に置かれましたが、人々の信仰心は変わらず、諸行事は継続されました。
昭和9年(1934年)の室戸台風では、五重塔が倒壊し、金堂や中門も大きな被害を受けました。
さらに、昭和20年(1945年)の大阪大空襲では、境内のほぼ全域が焼失する甚大な被害を受けました。
しかし、各方面の協力により復興が進められ、昭和38年(1963年)には中心伽藍である五重塔・金堂・講堂が再建され、昭和54年(1979年)には聖霊院奥殿・絵堂・経堂なども復興されました。これらの建物は鉄筋コンクリートで再建され、外観は飛鳥時代の様式を忠実に再現しています。
宗派と教義
四天王寺は、戦後の1946年に天台宗から独立して「和宗(わしゅう)」を創設しました。和宗の総本山として、仏教の興隆と聖徳太子の精神の継承を目指す寺院として活動を続けています。宗派を超えた開かれた寺院であり、多くの人々から広く信仰されています。
四箇院の制と現代の社会事業
聖徳太子が定めた「四箇院の制」とは、教育、医療、福祉、宗教の4分野にわたる公共的な奉仕活動を行う制度です。
四天王寺ではこの精神を今に受け継ぎ、以下のような事業を行っています。
学校法人四天王寺学園による仏教精神に基づいた教育事業
社会福祉法人四天王寺福祉事業団による福祉・医療事業(施薬院・療病院など)
これらの活動は、仏教の教えを実社会の中で活かす重要な取り組みとなっています。
境内の特徴と文化財
四天王寺の境内は約11万平方メートル(約3万3千坪)と広大で、甲子園球場の約3倍にあたる広さを誇ります。
主な見どころとしては、
四天王寺式伽藍
聖徳太子をまつる聖霊院(太子殿)
約500点の国宝・重要文化財を収蔵する宝物館
日本庭園「極楽浄土の庭」
などがあり、歴史と自然が調和した静かな空間が広がっています。「極楽浄土の庭」に佇むと、都会の喧騒を忘れさせる心安らぐ時間を過ごすことができます。
また、四天王寺は新西国三十三観音霊場の第一番札所であり、多くの巡礼者にも親しまれています。
年中行事と庶民信仰
四天王寺では年間を通じて多くの行事が行われており、特に次の行事が広く知られています。
毎月21日の大師会、および22日の太子会では、法要のほかに多数の露店が出店し、庶民の信仰を象徴する縁日としてにぎわいます。
**毎年4月22日の「聖霊会舞楽大法要」**では、大阪市の無形民俗文化財に指定されている「天王寺舞楽」が奉納され、飛鳥時代から伝わる伝統芸能が今に継承されています。
これらの行事は、四天王寺が単なる歴史的名所にとどまらず、今なお信仰と文化が息づく場であることを示しています。
四天王寺は、聖徳太子の理想と精神を体現する寺院であり、日本の仏教・建築・文化・社会福祉のあらゆる側面を担ってきました。災害や戦火を乗り越え、現代にその姿を伝え続ける四天王寺は、多くの人々にとって心の拠り所であり続けています。