貴船神社

貴船神社|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

貴船神社は、京都市左京区の貴船に鎮座する古社で、水の神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀る全国約500社の貴船神社の総本宮です。古くから農業や醸造業をはじめとする水に関わる業種の守護神として信仰されています。1055年に本宮が現在地へ遷座され、旧鎮座地は奥宮として祀られています。また、平安時代の女流歌人・和泉式部が夫との復縁を祈願し成就した逸話から、縁結びの神としても広く信仰され、三社詣を行う多くの参拝者が訪れます。

基本情報

名称
貴船神社 (きふねじんじゃ)
所在地
〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス
最寄り駅:叡山電車「貴船口」駅
貴船口駅下車、京都バスに乗り換え「貴船」下車
貴船口駅から徒歩の場合は約30分
最寄りのバス停:京都バス(33番)「貴船」
貴船下車、貴船神社までは徒歩約5分
駐車場
駐車場 あり
営業時間
6:00~20:00
御守・御札・御朱印の授与は9:00~17:00
定休日
無休
料金
境内無料
連絡先
電話番号:075-741-2016
公式サイト

マップ

詳細情報

貴船神社は、京都市左京区の山間、自然豊かな貴船の地に鎮座する古社で、水の神「高龗神(たかおかみのかみ)」を主祭神とし、全国におよそ二千社ある貴船神社の総本宮です。創建年代は不詳ですが、白鳳六年(677年)にはすでに社殿の造替記録があることから、日本でも有数の歴史を誇る神社として知られています。

「貴船」は古くは「氣生根(きふね)」とも記され、気力が生じる根源の地と信じられてきました。御神気に触れることで活力が得られる霊地として、古来より多くの参拝者を惹きつけてきました。また、水を司る神を祀ることから、農業・漁業・醸造業など水に関わる人々にとっての守護神とされており、歴代の朝廷からも篤く信仰されてきました。旱魃の際には黒馬、長雨の際には白馬や赤馬を奉納して、祈雨・止雨の儀式が行われた記録も残されています。

神社の創建地とされるのは、現在の奥宮の地です。奥宮が洪水により損傷したため、1055年(天喜三年)に現在の場所へ本宮が遷座されました。現在は、貴船川に沿って下流から本宮、結社、奥宮の三社が鎮座しており、これらを順に巡る「三社詣(さんしゃまいり)」が広く行われています。

本宮には水を司る高龗神が祀られており、運気上昇、諸願成就、水の恵みを願う参拝者が絶えません。本殿前の石垣からは貴船山の湧き水が流れ出ており、「水占みくじ」と呼ばれるおみくじをこの神水に浮かべると、文字が浮かび上がってくるという独特の占いが名物となっています。

本宮の先にある「結社(ゆいのやしろ)」には、縁結びの神である磐長姫命(いわながひめのみこと)が祀られています。平安時代の女流歌人・和泉式部が夫の心変わりに悩み、ここで祈願したところ復縁が叶ったという逸話が残っており、それ以来「恋の宮」として若い世代からも厚い信仰を集めています。願いごとを緑の「結び文」にしたためて「結び処」に結ぶことで、恋愛に限らずさまざまな良縁に恵まれるとされています。

奥宮は神社創建の地であり、現在の本宮から徒歩15分ほどの山道を進んだ先にあります。本殿の地下には「龍穴(りゅうけつ)」と呼ばれる神聖な空間があり、神の力が宿る場所として現在も本殿で覆われており、誰もその中を直接見ることはできません。奥宮は古来より特別な霊域とされ、船の神としての信仰や、玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀る伝承も残されています。

高龗神は、『古事記』や『日本書紀』にも登場する水の神で、火の神・軻遇突智(かぐつち)を伊奘諾尊(いざなぎのみこと)が斬った際に、その剣から滴った血から生まれたと伝えられています。この神は荒ぶる火を鎮め、自然の調和をもたらす存在として尊ばれています。また、「高龗神(山上の龍神)」と「闇龗神(くらおかみのかみ/谷底の龍神)」は異なる名で語られることもありますが、貴船神社では「呼び名は違えど同一の神」とされ、雲を呼び、雨を降らせ、地中に水を蓄えて必要に応じて湧き出させる、水源の神として崇敬されています。

さらに社伝によれば、神がこの地に降臨した際の伝説も伝わっており、「丑の年・丑の月・丑の日に、貴船山中の鏡岩に天降られた」とされることから、現在でも「丑の日」が貴船神社の縁日とされています。別の伝説では、初代神武天皇の皇母・玉依姫命が、大阪湾から船に乗って淀川・鴨川・貴船川をさかのぼり、清水湧き出る霊地「吹井(ふきい)」を見出して祠を建てたことが神社の起源であるともいわれています。

貴船神社の周辺は四季折々の自然に恵まれ、新緑の春、涼やかな川床が名物の夏、鮮やかな紅葉に彩られる秋、幻想的な雪景色に包まれる冬と、どの季節も多くの参拝者を魅了します。特に紅葉の時期には夜間ライトアップが行われ、石段に並ぶ灯籠の灯りと紅葉が織りなす光景は、神秘的で幻想的な世界を創り出します。

このように貴船神社は、古代より人々の祈りとともに歩み続けてきた「水と氣の神社」として、現代においても京都の霊地として篤い崇敬を集めています。参拝を通じて、清らかな水の恵みとともに心身を清め、気を養う神聖なひとときを体感することができる場所です。