平安神宮

平安神宮|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!

平安神宮は、1895年(明治28年)に平安遷都1100年を記念して、桓武天皇を祭神として建立されました。京都市内の岡崎エリアに位置するこの神宮は、朱色の大鳥居が24mの高さで聳え立ち、街のランドマークとなっています。その社殿は、平安時代の大極殿を模倣し、鮮烈な朱色と碧の瓦が美しく調和しています。
神宮内には「神苑」と名付けられた庭園が広がり、近代日本庭園の先駆者、七代目小川治兵衛による設計です。四季折々の花々が美しく、特に春にはしだれ桜が見事です。この神宮は、毎年10月22日に「時代祭」を開催。約2000人が各時代の衣装で2kmの行列を形成し、京都の伝統と文化を象徴する祭りとなっています。
平安神宮は、桓武天皇と後に孝明天皇も祭神として加えられ、京都の文化と歴史を守り続けています。ここはただの観光地以上の意義を持ち、多くの人々に愛されています。一度訪れればその魅力に取り込まれ、心に深く刻まれることでしょう。

基本情報

名称
平安神宮 (へいあんじんぐう)
所在地
〒606-8341 京都市左京区岡崎西天王町97
アクセス
地下鉄東西線「東山」駅から徒歩約7分
市バス 岡崎公園 美術館・平安神宮前バス停から徒歩約5分
駐車場
駐車場 なし
営業時間
【境内】6時00分~17時30分
【神苑】8時30分~17時00分
※季節によって変動あり
定休日
無休
料金
【境内】
無料
【神苑】
大人:600円
小人:300円
連絡先
電話番号:075-761-0221
公式サイト

マップ

詳細情報

平安神宮は、1895年(明治28年)、平安遷都1100年を記念して創建された神社で、京都市左京区岡崎に鎮座しています。主祭神には、平安京を開いた第50代・桓武天皇と、近代日本の胎動期に国家の安寧を願い続けた第121代・孝明天皇が祀られています。

この神宮は、京都の歴史と文化の象徴として多くの参拝者や観光客に親しまれており、壮麗な建築群や四季折々に表情を変える美しい庭園で広く知られています。

創建の背景と意義
平安神宮は、平安京遷都から1100年目を迎えた1895年に創建されました。当時、明治維新によって首都が東京へ移されたことで京都の街は活気を失いかけていました。そうした中、京都市民による町おこし事業の一環として建てられた平安神宮は、京都復興の象徴として位置づけられ、市民の誇りと願いが込められた神社でもあります。

桓武天皇と孝明天皇について
桓武天皇(第50代)
桓武天皇は、737年に光仁天皇の皇子としてお生まれになり、781年に即位されました。平城京が国家の首都としてふさわしくないとお考えになり、まず山城国乙訓郡の長岡京へ、さらに延暦13年(794年)には現在の京都市へと遷都を断行されました。この新たな都は「平安京」と名づけられ、日本の国都として発展を遂げる礎となりました。

桓武天皇は在位中、律令制度の整備、文教の振興、難民の救済、海外との交流促進などに力を注がれ、日本の統治体制の基盤を築かれました。延暦25年(806年)に崩御され、御陵は京都市伏見区桃山町にある柏原陵(かしはらのみささぎ)にあります。

孝明天皇(第121代)
孝明天皇は1831年に仁孝天皇の皇子としてご誕生になり、1847年に第121代天皇として即位されました。幕末の混迷する情勢の中で、天皇は国家の将来と民の安寧を第一に考え、明治維新の基礎を築かれた人物といえます。

「さまざまに 泣きみ笑ひみ語りあふも 国を思ひつ 民おもふ為」という御製にあるように、天皇の政治姿勢には深い憂国の情と民への慈しみが込められています。慶応2年(1866年)12月25日、36歳の若さで崩御され、御陵は京都市東山区泉涌寺にある後月輪東山陵(のちのつきのわひがしやまりょう)にあります。

建築と見どころ
大鳥居(おおとりい)
大鳥居は、1929年(昭和4年)、昭和天皇の即位を祝う「御大典」を記念して建立されたもので、高さ24メートル、幅18メートルという圧倒的なスケールを誇ります。鮮やかな朱塗りの大鳥居は、岡崎エリアのランドマークとして親しまれており、現在でも多くの観光客が記念撮影に訪れる人気のスポットとなっています。

応天門(おうてんもん)
神宮の正面に構える「応天門」は、かつて平安京の正門であった応天門を模して建てられたもので、朱色の柱と碧瓦(へきがわら)の屋根が見事に調和しています。二層構造の楼門で、国の重要文化財にも指定されています。この門をくぐれば、まるで平安時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。

大極殿(だいごくでん)
大極殿は、平安京の「朝堂院正殿・大極殿」を5分の8の縮尺で忠実に再現した建物で、外拝殿として参拝者が礼拝を行う場となっています。鮮やかな朱塗りの柱と碧瓦、金色の鴟尾(しび)を冠した屋根が荘厳な雰囲気を醸し出しています。前庭には「左近の桜」と「右近の橘」が配されており、古式ゆかしい美しさを感じさせます。2010年には本殿などとともに国の重要文化財に指定されました。

平安神宮神苑(しんえん)―四季を彩る名勝庭園
神苑は、近代日本庭園の先駆者である七代目・小川治兵衛(おがわ じへえ)によって作庭された池泉回遊式庭園で、国の名勝に指定されています。総面積は約3万平方メートルに及び、東・中・西・南の4つのエリアに分かれています。

東神苑:神苑最大の池「栖鳳池(せいほういけ)」が広がり、周囲の景観と調和して心を和ませてくれます。

中神苑:中央にある「蒼龍池(そうりゅうち)」と、石を渡る「臥龍橋(がりゅうきょう)」が見どころです。

西神苑:約200種もの植物が咲き誇り、特に初夏には美しい睡蓮が池を彩ります。

南神苑:神苑の導入部にあたり、静謐な雰囲気で参拝者を迎えてくれます。

春には300本を超える桜が咲き誇り、なかでも「ベニシダレザクラ」は谷崎潤一郎の小説『細雪』にも登場する名木として有名です。夜にはライトアップが施され、幻想的な景色を堪能できます。また、秋には境内が赤や橙に染まり、朱色の社殿とのコントラストが見事で、紅葉の名所としても高い評価を受けています。

縁結びのご利益と人気
平安神宮は、良縁成就のご利益があるとされる「縁結びのパワースポット」としても人気です。桓武天皇と孝明天皇という、時代を導いた2柱の天皇が祀られていることから、恋愛だけでなく仕事や人生の節目に参拝する方も多く見られます。境内にはお守りや絵馬の授与所もあり、多くの参拝者が想いを託しています。

時代祭(じだいまつり)―京都三大祭のひとつ
平安神宮の例祭である「時代祭」は、「祇園祭」「葵祭」と並ぶ京都三大祭のひとつに数えられます。毎年10月22日に開催され、平安神宮創建の契機となった「平安遷都1100年紀念祭」を起源としています。

この祭りでは、延暦時代から幕末・明治維新に至るまでの各時代の装束を身にまとった約2,000人の市民が、京都御所から平安神宮までの約2kmを約2時間かけて練り歩きます。歴史上の人物や武将、貴族、庶民の姿が再現される「動く歴史絵巻」として、国内外の観光客に大きな感動を与えています。

平安神宮は、単なる観光名所にとどまらず、桓武天皇の創都の偉業、孝明天皇の憂国の志、そして明治期の京都市民の誇りが込められた、歴史と文化の集大成ともいえる神聖な場所です。朱塗りの壮麗な建築や、四季を通じて美しさを湛える神苑、そして歴史と向き合う催事の数々が、訪れる人々に深い感動と静かな安らぎをもたらしてくれます。京都を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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