
円通院|観光の魅力・歴史・アクセス方法・営業時間を写真&動画でチェック!
基本情報
- 名称
- 円通院 (えんつういん)
- 所在地
- 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島町内67
- アクセス
- JR仙石線松島海岸駅から徒歩5分
- 駐車場
- 駐車場 なし
- 営業時間
- 8:30~17:00(12~翌3月は9:00~16:00)、数珠作り体験は9:00~16:00(12~翌3月は~15:00)
- 定休日
- 無休
- 料金
- 大人500円
小・中学生300円 - 連絡先
- 電話番号:022-354-3206
- 公式サイト
マップ
詳細情報
円通院は、宮城県松島町にある臨済宗妙心寺派の寺院で、日本三景・松島を代表する名所のひとつです。隣接する瑞巌寺とともに多くの参拝者が訪れる観光・信仰の地であり、「縁結びの寺」や「紅葉の名所」としても広く知られています。
この寺は、仙台藩二代藩主・伊達忠宗の次男であり、伊達政宗の嫡孫にあたる光宗の菩提寺として建立されました。光宗は文武両道に優れ、将来を期待されながらも、正保2年(1645年)、わずか19歳で江戸にて早世しました。その死を悼み、正保4年(1647年)に開山され、以来伊達家の霊廟寺院としての役割を担っています。
歴史と建造物
三慧殿(さんけいでん)
光宗の霊廟であり、別名「御霊屋(おたまや)」とも呼ばれます。宝形造・本瓦葺の格式ある霊屋で、東北地方では数少ない方三間霊屋の遺構として特に貴重です。宮城県下最古の霊屋建築とされ、昭和60年(1985年)に国の重要文化財に指定されました。
内部の厨子には西洋文化の影響を受けたとされる装飾が施されており、扉にはダイヤ・クローバー・ハート・スペードといったトランプの図柄が描かれています。さらに、日本最古と伝えられる西洋バラの絵もあり、これは伊達家家臣・支倉常長がヨーロッパから持ち帰ったと伝承されています。バラの文様には緑青やサンゴが用いられ、変色しにくい技法が施されています。
本堂(大悲亭)
本堂は光宗が江戸での納涼のために用いた建物を移築したもので、寄棟造・萱葺の落ち着いた佇まいが特徴です。松島町の指定文化財となっています。
山門
開山当初に建てられたとされる薬医門で、こちらも萱葺です。本堂とともに松島町指定文化財に登録されています。
庭園
円通院の境内には、趣の異なる複数の庭園が配されています。
雲外天地の庭(石庭):禅の精神を表現した枯山水の庭。
遠州の庭:江戸時代の作庭家・小堀遠州の作と伝えられる池泉回遊式の美しい庭園。
白華峰西洋の庭(バラの庭):支倉常長が伝えた西洋文化にちなむ庭で、近代に天野明道住職が境内に数多くのバラを植栽したことから「バラ寺」としても親しまれました。
三慧殿禅林瞑想の庭:霊廟を囲む静かな苔庭で、現在では「苔寺」としても人々に安らぎを与えています。
特に秋には紅葉が見事で、心字池や観音菩薩を祀る補陀落山を中心に、境内全体が鮮やかに彩られます。夜間にはライトアップが行われ、水面に映る紅葉が幻想的な美しさを演出します。
祈願と体験
縁結び観音とこけし奉納
山門を入ってすぐ左手に安置されている「縁結び観音」は、恋愛はもちろん、進学や就職など様々な良縁を結ぶ観音様です。参拝者は願い事を書き入れた「縁結びこけし」を奉納し、境内には可愛らしいこけしがずらりと並びます。
数珠づくり体験
好きな石を選んで作る数珠づくり体験も人気です。天然石やガラス、プラスチックから素材を選び、特に天然石コースでは完成後に石の意味を解説してもらえます。自分だけのオリジナル数珠は旅の思い出やお守りとして喜ばれています。
円通院は、伊達政宗の嫡孫・光宗の菩提を弔うために創建された歴史ある寺院です。国重要文化財「三慧殿」に見られる西洋文化の影響、四季折々に美しい庭園、縁結び観音や数珠づくり体験など、歴史・文化・自然が調和する魅力にあふれています。特に秋の紅葉ライトアップは幻想的な光景を生み出し、多くの人々に感動を与えています。
円通院は「縁結びの寺」としても「紅葉の名所」としても親しまれ、訪れる人々に癒しと安らぎを提供する松島屈指の名所です。